すかいらーくグループのデジタルメニューブック解説|ファミレス業界のデジタル化最前線

レビメニュー編集部

すかいらーくグループ(ガスト・バーミヤン・ジョナサン・しゃぶ葉等)は、業務用タブレットによるデジタルメニューブックとネコ型配膳ロボットを組み合わせて、ファミレス業界のデジタル化を牽引してきた事業者です。個人店が同じ仕組みを導入するのは現実的ではないため、お客さまのスマートフォンを使うQR型のデジタルメニューが推奨されます。

この記事のポイント

  • すかいらーくグループは複数業態でタブレット型デジタルメニューブックを展開
  • ネコ型配膳ロボットと組み合わせて省人化を実現
  • 個人店が同じ仕組みを入れると初期費用は数百万円規模
  • 個人店はお客さまのスマホで見るQR型から始めるのが現実的

ガスト、バーミヤン、ジョナサン、しゃぶ葉。日本の郊外型ファミレスを思い浮かべると、たいていすかいらーくグループのお店がぱっと出てくると思います。テーブルに置かれたタブレット、料理を運んでくるネコ型のロボット。あの一連の体験は、もはやファミレスの「当たり前」になりました。

でも実際、あれって個人店でも導入できるんでしょうか?「うちでもタブレット入れたいんだけど、いくらくらいかかるの?」という質問を受けることがあります。結論を先に言うと、同じ仕組みをそのまま入れるのは現実的じゃないです。

この記事では、すかいらーくグループのデジタルメニューブックの仕組みを第三者の視点で整理しつつ、なぜ業界でいち早くデジタル化に取り組めたのか、そして個人店が真似できる部分・真似できない部分をフラットに解説します。最後には個人店向けの現実的な代替案も紹介するので、参考にしてみてください。

すかいらーくのデジタル戦略全体像

すかいらーくグループのデジタル化は、単に「メニューを電子化した」という話ではありません。注文・配膳・会計までを連動させた仕組みを、グループ全体で標準化したのが特徴です。お客さまから見えるのはタブレットと配膳ロボットだけですが、その裏側ではPOSシステム、キッチンディスプレイ、ロボットの動線管理が一つに繋がっています。

報道や公式リリースを見ると、ここ数年で大半の店舗にタブレットを導入し、配膳ロボットも段階的に展開してきたようです。これだけ大規模なデジタル化を、しかも複数業態にまたがって進められたのは、グループの規模感と投資余力があってこそ。

とはいえ、すかいらーくが「先進的だから」というだけでデジタル化したわけではなく、人手不足や人件費の高騰、そしてコロナ禍の衛生意識といった外部環境の変化に対応する必要があった側面もあります。背景を理解しておくと、個人店が真似すべき部分とそうでない部分が見えやすくなります。

タブレットメニューブックの仕組み

すかいらーくグループのタブレットは、各テーブルに常設されている業務用端末です。来店したお客さまは、特別な操作なしにすぐメニュー画面を触れます。基本的な流れはこんな感じ。

1. カテゴリ選択から商品詳細へ

画面上部にカテゴリ(前菜、メイン、サイド、ドリンク、デザートなど)が並び、タップで切り替わります。商品をタップすると、写真と説明、価格、カスタマイズオプション(辛さ、量、トッピング等)が表示される構成。料理写真がかなり大きく表示されるので、はじめてのお客さまでもイメージが掴みやすいのが特徴です。

2. カートに追加して注文確定

選んだ商品を一度カートに入れて、最後にまとめて注文確定。確定ボタンを押すとキッチンに直接オーダーが送られるので、店員さんがハンディで打ち直す手間がありません。注文ミスが構造的に減るのが大きいです。

3. 呼び出しボタン・会計連動

店員さんを呼びたい時はタブレット上のボタンを押す方式。お会計もタブレットで合計を確認してからレジに向かう流れになっていて、テーブル番号と注文履歴が紐づいているので決済もスムーズです。デジタルメニューブックの仕組み詳細もあわせて参考にしてみてください。

グループ別の展開(ガスト/バーミヤン/ジョナサン/しゃぶ葉等)

すかいらーくグループは複数の業態を持っていて、それぞれデジタルメニューブックの使い方が微妙に違います。共通プラットフォームの上に業態別のカスタマイズが乗っているイメージ。

ガスト:洋食ファミレスのスタンダード

グループの主力業態。ハンバーグ、パスタ、サラダといった定番洋食メニューがタブレットで写真付き表示されます。ファミリー利用が多いので、キッズメニューが分かりやすく分離されていたり、ドリンクバーの操作案内が画面に出たりと、家族連れを意識した作りになっています。

バーミヤン:中華業態ならではのメニュー数

中華業態はとにかくメニュー数が多いので、紙だと分厚いブックになりがち。デジタル化の恩恵が一番大きい業態の一つです。「点心」「麺類」「ご飯もの」など細かいカテゴリ分けと、辛さ・量のカスタマイズ表示で、紙メニューより圧倒的に探しやすくなっています。

ジョナサン:少し上の価格帯への対応

ジョナサンはガストよりやや上の価格帯。料理写真の見せ方やコース案内の表示が少し違う印象です。こだわり食材の説明や、ワインリストとの組み合わせ提案など、客単価を意識したUIになっているのが特徴かなと思います。

しゃぶ葉:食べ放題コースとの組み合わせ

しゃぶ葉は食べ放題が中心。最初にコースを選ぶと、そのコースに含まれる肉・野菜・サイドメニューがタブレット上で写真表示される作りです。制限時間や追加注文の管理もタブレット上で完結するので、食べ放題のオペレーションをほぼ自動化できます。詳しくはしゃぶ葉のデジタルメニューブック解説もどうぞ。

ネコ型配膳ロボットとの連携

すかいらーくのデジタル化を象徴するのが、ネコ型の配膳ロボット「BellaBot」です。中国Pudu Robotics社製で、すかいらーくグループが大規模に導入したことで日本でも一気に知られるようになりました。

デジタルメニューブックで注文が確定すると、キッチンに直接オーダーが飛びます。料理が完成したら、店員さんがロボットのトレイに料理を載せて、テーブル番号を指定するだけ。あとはロボットが自動で配膳に向かいます。「タブレット注文 → 配膳ロボット」の組み合わせによって、店員さんの動線が大幅に減らせるのが効いています。

ロボットの導入コストは1台あたり200〜300万円程度と言われています。大手チェーンならスケールメリットで投資回収できますが、個人店が単独で導入するのは現実的じゃないです。ただし「ロボット配膳サービス」というレンタル型のサービスも出てきていて、月額数万円から試せる選択肢も増えてきました。

デジタル化の効果(人件費・回転率・客単価)

人件費削減の効果

注文取りと配膳が省人化されるので、フロアスタッフの数を減らせます。すかいらーくの公開資料を見る限り、1店舗あたりのフロアスタッフを大幅に削減できたという報告があります。一人あたりの担当卓数を増やせるので、人件費の絶対額も労働投入も下げられる構造です。

回転率の向上

お客さまが店員を呼ぶ時間が消え、注文確定からキッチンへの伝達も瞬時。注文〜提供までの時間が短縮されるので、結果的に回転率が上がります。ピークタイムの売上が伸びやすい構造になっているのは見逃せないポイントかも。

客単価への影響

意外と大きいのが客単価への影響。写真を大きく見せられる、追加注文の操作が簡単になることで、「あ、デザートも追加しよう」みたいな注文が増えやすくなります。事例によると、デジタル化前後で客単価が数%上がったという報告もあります。ただし業態や立地で結果は変わるので、過度な期待は禁物。

個人店・小規模店が学べるポイント

すかいらーくの仕組みは個人店にはオーバースペックですが、考え方のレベルで学べる部分はけっこうあります。

1. 写真を大きく見せる文化

紙メニューだと写真サイズに制約がありますが、デジタルなら大きく表示できます。「料理がどんなものか分かる」というだけで、はじめてのお客さまの注文ハードルが大幅に下がります。これはQR型でも同じように実現可能です。

2. お客さま自身が操作する文化を作った

すかいらーくが大規模に普及させたことで、「タブレットやスマホで自分でメニューを見る」のが当たり前になりました。これは個人店にとっても追い風で、QRメニューを導入してもお客さまが戸惑うことが少なくなっています。

3. メニュー差し替えのスピード感

季節限定、フェアメニュー、品切れ反映。すかいらーくは本部から全国一斉に配信していますが、個人店レベルでも管理画面から数分で更新できる仕組みは同じです。「思い立ったらすぐ変えられる」のは、デジタルメニューの本質的なメリット。

4. 多言語対応の自動化

すかいらーくはインバウンド対応も進んでいて、英語・中国語・韓国語の切替がタブレット上で完結します。個人店でも多言語自動切替のあるQRメニューサービスを選べば、観光地立地や駅前立地で同じレベルの体験を提供できます。

個人店向け代替案(タブレット型 or QR型)

個人店がデジタルメニューブックを導入する場合、選択肢は大きく2つ。タブレット型か、QR型かです。

タブレット型を選ぶケース

客単価が高い業態、メニュー数が多くて画面が広く欲しい業態、ご年配のお客さまが多くスマホ操作に不安がある業態。こういったケースではタブレット型が向いています。ただし、初期費用が数十万円〜、月額も数万円〜かかるので、ある程度の売上規模が必要です。

QR型を選ぶケース(個人店ならほぼこっち)

席数20席前後の個人店、カフェ、居酒屋、ラーメン店など。お客さまのスマホで見てもらう前提なら、初期費用ゼロ、月額無料〜数千円で導入できます。タブレット型と比べて機能は限定的ですが、「メニューを見せる」目的なら十分すぎる仕様です。詳しくはQRメニューの基本ガイドもどうぞ。

主要サービス比較

すかいらーく型のタブレット系と、個人店向けのQR型を並べて比較しました。投資規模の差を実感していただけると思います。

サービス タイプ 想定規模 多言語 初期費用 月額
レビメニュー QR型 個人店〜 5言語 0円 無料〜7,980円
SORENA QR型 個人店〜 10言語 0円 無料〜
ダイニー ハイブリッド 中規模〜 あり 要問合せ 要問合せ
大手チェーン向け業務用タブレット タブレット型 チェーン店向け あり 数十万円〜 数万円〜

すかいらーくが使っているような業務用タブレット系は、スケールメリットがある大手チェーン向け。個人店なら、QR型から始めるのが現実的です。無料で使えるQRコードメニュー比較もあわせてどうぞ。

個人ファミレス事例

大手ファミレスとは違う、個人で経営する洋食レストラン・ファミレス系業態の事例を3軒紹介します。「うちはどっち寄り?」を考えるヒントにしてみてください。

事例1

洋食レストランA様(郊外型・家族経営・40席)

課題:近くにガストができてから、客足が落ちたと感じていたそうです。「タブレットで注文できる便利さ」に慣れたお客さまから「ここはまだ紙メニューなんだ」と言われたのがきっかけ。

効果:ファミレス型のタブレットを検討したものの、見積もりが200万円超え。代わりにQR型を導入したら、初期費用ゼロ、月額数千円で同じくらいの体験が実現できたとのこと。子ども向けに料理写真をしっかり見せられるのが好評。

「タブレット買う予算は厳しかったので、スマホで見てもらうやり方で十分すぎました。お客さまも違和感なく使ってくれてます」

— 洋食レストランA様 オーナー

事例2

中華料理店B様(駅前・夫婦経営・28席)

課題:バーミヤンを参考に、デジタル化したいけど投資余力がない状態。メニュー数が80品くらいあって、紙だと分厚いブックになっていたのも悩みだったそう。

効果:QR型のメニューに切り替えてから、カテゴリ分けが整理されて「探しやすい」と好評。中国語表示も自動でできるので、近くの中国人観光客の客足が増えたとのこと。

「メニューが多すぎて紙だと探しにくかったんですが、デジタルだとカテゴリで絞れるのが便利。中国語が自動で出るのは想定外の効果でした」

— 中華料理店B様

事例3

ファミレス系定食店C様(住宅街・スタッフ3名・35席)

課題:定食メニュー中心のお店で、ご年配のお客さまも多い。「タブレットだと使いこなせない方がいるんじゃないか」が懸念だったそうです。

効果:QR型を導入しつつ、紙メニューも数部だけ残す運用に。スマホを持っている若い世代はQRから、ご年配の方は紙からというハイブリッド運用が機能しているとのこと。

「完全デジタル化しなくていいんですよ。選択肢が増えるだけでお客さまの満足度は上がります」

— ファミレス系定食店C様 店長

よくある質問

すかいらーくグループのタブレットメニューは、どこのメーカーが作っているんですか?

公開情報を見ると、業務用タブレットを使った自社開発・ベンダー連携のシステムを採用しているようです。グループ全体で統一されたUIに見えますが、店舗の業態(ガスト/バーミヤン/ジョナサン/しゃぶ葉等)によって表示メニューや機能が少しずつ違うのが特徴。詳しい構成は外部に公開されていない部分も多いので、ここでは「タブレット型のデジタルメニューブック」という大きな括りで解説しています。

ネコ型配膳ロボット(BellaBot)と、デジタルメニューブックは連動してるんですか?

公開されている範囲では、注文情報がキッチンに送られて調理が完了したら、配膳ロボットが料理を運ぶというフローのようです。お客さま側から見ると「タブレットで注文 → ロボットが運んでくる」というシンプルな体験ですが、裏側では注文管理システム・キッチンディスプレイ・ロボットの動線管理が連携しています。個人店でここまでの仕組みを真似するのは現実的じゃないですが、QRメニューと配膳ロボット単体の組み合わせなら検討余地はあります。

個人店がすかいらーくと同じ仕組みを入れたらいくらかかりますか?

タブレット端末を卓数分そろえると、端末代だけで数十万円〜百万円規模。さらにPOS連携、配膳ロボット(1台200〜300万円と言われています)、保守料を加えると、初期投資は数百万円コースになります。個人店がそのまま真似するのは難しいので、お客さまのスマホを使うQR型を選ぶのが現実的です。

すかいらーくのデジタル化は、なぜ業界で早かったんですか?

理由はいくつかあると言われていて、まず店舗数が多いのでデジタル化の投資効果が出やすかったこと。次に、人件費圧縮の必要性が大きかったこと。そして、自社開発に投資できる規模感があったことが挙げられます。個人店とは前提条件が違いすぎるので、同じスピード感でデジタル化を進める必要はありません。

個人店がファミレスから学べることって何ですか?

一番大きいのは「お客さま自身で注文する仕組みを当たり前にしたこと」だと思います。これによってお客さま側も慣れてきていて、個人店でも導入しやすい土壌ができました。具体的な仕組みは真似しなくていいので、「メニューを見せる → 口頭で注文」というQR型の運用から始めるのがおすすめです。

まとめ

すかいらーくグループは、業務用タブレットとネコ型配膳ロボットを組み合わせて、ファミレス業界のデジタル化を引っ張ってきた事業者です。グループ規模だからこそ実現できた大規模投資の結果として、お客さまにとっても「自分で注文する」体験が当たり前になりました。

ただし、個人店が同じ仕組みをそのまま導入するのは現実的じゃありません。タブレットと配膳ロボットだけで初期費用が数百万円コースになります。個人店なら、お客さまのスマホを使うQR型から始めるのが現実的です。

「写真を大きく見せる」「お客さま自身で操作できる」「メニュー差し替えが即時」というすかいらーくが普及させた価値は、QR型でも十分実現できます。まずは無料プランから試してみるのがおすすめです。

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