デジタルメニューブックとは?飲食店向けの仕組み・作り方・導入事例

レビメニュー編集部

デジタルメニューブックとは、紙のメニューブックをデジタル化した飲食店向けの電子メニューシステムで、タブレット端末やお客さまのスマートフォンに料理画像・価格・説明を表示するサービスです。

この記事のポイント

  • デジタルメニューブックはファミレスや個人店で広がる電子メニューシステム
  • タブレット型/QRコード型/ハイブリッド型の3タイプがある
  • 個人店なら無料のQR型から始めるのがおすすめ
  • 多言語対応・リアルタイム更新・印刷コストゼロが主要メリット

「デジタルメニューブック」と聞くと、ガストやしゃぶ葉のテーブルに置いてあるタブレットを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。たしかにファミレスでは当たり前の存在になりましたが、最近は個人店や小規模店でも「うちにも入れたい」という相談が増えてきました。

ただし、ファミレスと同じようなタブレット型をそのまま入れようとすると、端末代だけで数十万円になることもあります。個人店の場合は、お客さまのスマートフォンを活用するQRコード型のほうが現実的なケースが多いんです。

この記事では、デジタルメニューブックの仕組みから3つのタイプ、メリット・デメリット、そして個人店が無理なく導入する方法まで、わかりやすく解説します。「QRメニュー」や「デジタルメニューボード」との違いも整理しているので、混同しがちな方もぜひ読み進めてみてください。

デジタルメニューブックとは

デジタルメニューブックとは、これまで紙で配っていたメニューブックを電子化したものです。タブレット端末やお客さまのスマートフォンに、料理写真・価格・説明文を表示します。すかいらーくグループのファミリーレストランで広く導入されているため、「あのテーブル上のタブレット」をイメージする方が多いと思います。

ポイントは、あくまで「メニューを見せる」役割が中心であること。注文機能まで備わっているサービスもありますが、本来は紙メニューの代わりとして登場したものです。写真を大きく見せられたり、品切れをすぐ反映できたり、英語・中国語に切り替えられたりと、紙にはできないことがいろいろできます。

混同されやすい用語として「QRメニュー」と「デジタルメニューボード」があります。QRメニューはデジタルメニューブックの一形態(スマホ閲覧型)と考えるとわかりやすいかも。一方、デジタルメニューボードは店頭やレジ上の大型ディスプレイのことで、お客さま個別のメニューではありません。

デジタルメニューブックの3つのタイプ

デジタルメニューブックは、表示する端末によって大きく3つのタイプに分かれます。お店の規模や予算によって選び方が変わるので、それぞれの特長を整理しておきましょう。

1. タブレット型(ファミレスでよく見るやつ)

各テーブルにタブレット端末を設置するタイプです。ガスト、しゃぶ葉、バーミヤンなどすかいらーくグループのファミレスで広く導入されています。注文・呼び出し・会計までタブレットで完結できる多機能なサービスが多く、人件費削減効果が大きいのが特長。ただし、端末1台あたり数万円かかるうえ、卓数分そろえる必要があるため初期投資はそれなりに重くなります。

2. QRコード型(お客さまのスマホで見る)

テーブルに置いたQRコードをお客さまが自分のスマートフォンで読み取るタイプです。お店側はQRコードを印刷したカードを置くだけなので、初期投資はほぼゼロ。月額料金も無料〜数千円程度のサービスが多いです。個人店や小規模店に最も人気で、コロナ禍以降一気に広まりました。タブレット型に比べると注文機能は限定的なサービスが多いですが、「メニューを見せる」目的なら十分すぎる機能を備えています。

3. ハイブリッド型(タブレット+スマホ)

テーブルにタブレットを置きつつ、お客さまのスマホからもアクセスできるタイプです。グループのお客さまがそれぞれ自分のスマホでメニューを見たい場合に便利。ただし、システム構成が複雑になりやすく、料金もそれなりにかかります。中規模以上のチェーン店や、客単価の高い業態で採用されることが多い印象です。

なぜ今飲食店で導入されているか

ここ数年で一気に広がった背景には、いくつかの要因があります。

まずコロナ禍の衛生意識。複数のお客さまが同じメニューブックを触ることへの抵抗感が強まり、「お客さま自身のスマホで見られるなら安心」というニーズが急増しました。コロナが落ち着いた今でも、衛生面のメリットは支持されています。

次にインバウンド対応。訪日外国人が急回復するなか、英語・中国語・韓国語などのメニューを紙で何種類も用意するのは現実的じゃありません。デジタルなら言語切替ボタン一つで済むので、対応コストが大幅に下がります。

そして人手不足とコスト圧。紙メニューの印刷費は地味に積み重なるし、メニュー更新のたびに刷り直す手間も馬鹿になりません。デジタル化すればその両方を一気に解決できます。

デジタルメニューブックの5つのメリット

1. メニューの差し替えがリアルタイム

日替わりメニュー、季節限定、品切れの反映。管理画面から数クリックで即座に更新できます。紙だと「印刷して、カットして、ラミネートして、差し替えて…」という地味な手間がありますが、デジタルならゼロ。本日のおすすめを朝決めて、開店までに反映みたいな運用も普通にできます。

2. 多言語対応がボタン一つ

英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、タイ語など、サービスによっては10言語以上に対応しています。お客さまが画面上で言語を選ぶだけで切り替わるので、お店側は何もしなくてOK。インバウンド客が多いエリアの飲食店には特に効きます。

3. 料理写真を大きく見せられる

紙メニューだと写真サイズに制約がありますが、デジタルなら画面いっぱいに表示できます。「どんな料理だろう?」という不安がなくなるので、はじめてのお客さまでも注文しやすくなります。事例によると、写真付きメニューに変えたことで客単価が10〜15%上がったという声もあるようです。

4. 衛生面で安心

紙やラミネートのメニューは、お客さまが手で触るぶん汚れも気になります。QRコード型なら、お客さま自身のスマホで見るだけなので不特定多数が触れる面が減ります。コロナ禍がきっかけで広まった話ですが、今でも気にする方は多いです。

5. 印刷コストがゼロになる

メニューを刷り直すたびに数千円〜数万円かかっていた印刷費が、デジタル化で完全にゼロになります。季節メニューを頻繁に入れ替えるお店ほど効果が大きく、月数千円〜一万円のコスト削減につながることも珍しくありません。

デメリットと対策

タブレット端末の初期コストが高い

ファミレス型のタブレット端末は、1台あたり数万円〜十数万円かかります。20席のお店なら20台必要で、初期費用だけで数十万円〜百万円規模になることも。対策としては、個人店ならQRコード型を選ぶこと。お客さまのスマホを使うので端末コストはゼロです。

店内Wi-Fiが弱いと表示が遅い

デジタルメニューブックは基本的にインターネット経由で表示するので、Wi-Fiが弱いとメニューの表示に時間がかかってしまうことがあります。お客さまのモバイル回線でも表示はできますが、地下店舗など電波が届きにくい場所は要注意。お店用のWi-Fiを整備しておくと安心です。

スマホを持っていないお客さまへの対応

ご年配の方など、スマホを持っていないお客さまもいらっしゃいます。完全にデジタル化するのではなく、紙のメニューも数部だけ残しておくのが現実的です。デジタルはあくまで「便利な選択肢を増やす」ものと考えると気がラクになります。

主要サービスの比較表

ファミレス系(大規模チェーン向け)と個人店向けのデジタルメニューブックサービスを並べて比較しました。お店の規模に合うものを選んでください。

サービス名 タイプ 端末 多言語 初期費用 月額
レビメニュー QR型 スマホ 5言語 0円 無料〜7,980円
Square モバイルPOS QR型 スマホ なし 0円 無料(決済手数料)
SORENA QR型 スマホ 10言語 0円 無料〜
ダイニー ハイブリッド スマホ+タブレット あり 要問合せ 要問合せ
大手チェーン向けタブレット系 タブレット型 専用端末 あり 数十万円〜 数万円〜

ファミレスでよく見るタブレット型は、すかいらーくグループなど大手チェーンで使われているもの。初期費用が数十万円〜数百万円かかるため、個人店が同じ仕組みを入れるのは現実的じゃありません

個人店なら、QRコード型から始めるのが断然おすすめです。無料プランで試して、必要に応じて有料プランに切り替える流れが無理がないです。無料で使えるQRコードメニュー比較も参考にしてみてください。

個人店が導入する3ステップ

個人店がデジタルメニューブック(QRコード型)を導入する場合、流れは至ってシンプルです。早ければ半日で運用開始できます。

1

メニュー情報と料理写真を準備

料理名・価格・カテゴリ(前菜、メイン、ドリンクなど)、それから料理写真を用意します。写真はスマホで撮ったものでOK。自然光の下で撮ると美味しそうに見えます。既存の紙メニューがあれば、OCR読み取り機能のあるサービスなら写真からそのまま取り込めることもあります。

2

サービスに登録してメニューを作成

選んだQRメニューサービスにアカウントを作って、管理画面からメニューを登録します。多くのサービスが無料プランやトライアルを用意しているので、まず触ってみるのがおすすめ。登録が終わるとお店専用のQRコードが自動で生成されます。

3

QRコードを印刷してテーブルに設置

生成されたQRコードを印刷して、テーブルや卓上ポップに置きます。「メニューはこちらのQRコードからご覧ください」と一言添えておくと迷いがありません。あとはお客さまがスマホで読み取るだけ。詳しい手順はQRコードメニューの作り方ガイドもどうぞ。

導入事例:3店舗の声

実際にデジタルメニューブック(QRコード型)を導入した個人店3軒の声を紹介します。業態がバラバラでも、共通して「もっと早く入れればよかった」という声が多い印象です。

事例1

和食店D様(住宅街・夫婦経営・12席)

課題:季節の献立を月ごとに変えていて、毎月メニューを書き直す作業が地味に重かったそうです。手書きで雰囲気は出るものの、達筆すぎて読みにくいという声もあったとか。

効果:QR型のデジタルメニューブックに切り替えたところ、メニュー差し替えが管理画面から数分で完了するように。写真も載せられるので、料理のイメージが伝わりやすくなりました。事例によると、季節限定の注文率が体感で2倍くらいになったとのこと。

「手書きの良さは残しつつ、写真でちゃんと伝わるようになったのが大きいです。月替わりの献立を考える時間に集中できるようになりました」

— 和食店D様 女将

事例2

カフェE様(観光地・個人経営・18席)

課題:観光地立地で外国人のお客さまが急増中。英語メニューを別で作っていたけど、中国語や韓国語までは手が回らず、Google翻訳でなんとかしていたとのこと。

効果:多言語対応のQRメニューに切り替えてから、5言語すべてに自動対応。お店側で翻訳メニューを用意する手間が消えました。外国人のお客さまからの注文がスムーズになり、「ここのメニュー見やすい」とSNSで書かれることも増えたそうです。

「翻訳の手間がなくなったのが本当に助かります。タブレット買う予算もなかったので、スマホで見てもらえるのがちょうどよかったです」

— カフェE様オーナー

事例3

イタリアンF様(駅前・シェフ一人+スタッフ2名・22席)

課題:ファミレスのようなタブレット型を検討したものの、見積もりが100万円近くになり断念。とはいえ紙メニューを刷り直すコスト(月5,000円程度)も削りたかったそうです。

効果:QR型に切り替えてからは、初期費用ゼロで運用開始。本日のおすすめや日替わりパスタも管理画面からすぐ反映できるようになりました。印刷コストはゼロに、ワインのソムリエコメントも自由に追加できるようになり、客単価も少し上がったそうです。

「タブレット型は完全にうちの規模じゃなかったです。スマホで見てもらうやり方で十分すぎるくらい。ソムリエコメントを書き込めるのが地味に楽しいです」

— イタリアンF様シェフ

よくある質問

デジタルメニューブックと紙のメニューブックは何が違うんですか?

一番の違いは、紙はモノで配るのに対して、デジタルメニューブックはタブレットやお客さまのスマホに表示することです。写真を大きく見せたり、品切れをすぐ反映したり、英語・中国語に切り替えたりが画面上で完結します。あと地味ですが、汚れたら印刷し直す必要がないのもラクです。

デジタルメニューブックは無料で始められますか?

QRコード型のサービスなら無料プランから始められます。レビメニューなど、月額0円で写真付き・多言語対応のメニューを作れるサービスもあります。タブレット型は端末代と月額利用料がかかるので、無料というわけにはいきません。まずはQR型で試して、必要に応じてタブレット型を検討するのがおすすめです。

ファミレスのようなタブレット型は個人店でも導入したほうがいいですか?

正直、個人店にはオーバースペックなことが多いです。タブレットは1台数万円かかるうえに、卓数分そろえると初期費用だけで数十万円。さらにPOS連携や保守料も必要になります。10席前後の個人店なら、お客さまのスマホで読み取るQRコード型で十分です。

ご年配のお客さまでも使えますか?

スマホを持っている方であれば、カメラをQRコードにかざすだけなので意外と問題ないことが多いです。ただ、心配なら紙のメニューを数部だけ残しておくのが現実的。完全にデジタル化しなくても、選択肢が増えるだけで十分メリットがあります。

デジタルメニューブックとデジタルメニューボードはどう違うの?

デジタルメニューブックは「お客さま一人ひとりが手元で見るメニュー」で、タブレットやスマホで表示します。一方デジタルメニューボードは、店頭やレジ上に設置する大型ディスプレイのことで、ファストフード店の頭上にあるアレです。用途が全然違うので、混同しないように気をつけてください。

まとめ

デジタルメニューブックは、ファミレスのタブレット型から個人店向けのQRコード型まで幅広い選択肢があります。仕組みとしては「紙メニューをデジタルに置き換える」というシンプルなものですが、メニュー差し替え・多言語対応・印刷コスト削減など、お店にとってのメリットは想像以上に大きいです。

ただし、個人店がファミレス型の高額タブレットを導入する必要はありません。月額0円〜数千円のQRコード型で十分すぎる機能が手に入ります。むしろ「まずは無料で試してみる」くらいの軽さで始めたほうが、現場にも馴染みやすいです。

紙メニューを完全になくす必要もありません。デジタルとアナログを併用しながら、お店に合ったバランスを見つけていくのがおすすめです。

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