デジタルメニューボードとは?店頭・店内サイネージの基礎・価格・自作方法まで

レビメニュー編集部

デジタルメニューボードとは、飲食店の店頭や店内に設置されたデジタル画面に料理メニューを表示するサイネージシステムで、マクドナルドやスターバックスなどのチェーン店で広く採用されています。

この記事のポイント

  • デジタルメニューボードは「店頭・店内に置く大型サイネージ」、デジタルメニューブックは「お客さまが手に取る電子メニュー」、QRメニューは「お客さまのスマホに表示する閲覧型メニュー」と用途が違う
  • 業務用は初期費用15〜30万円・月額3〜10万円が相場。自作なら43インチTV+Raspberry Pi+無料CMSで3万〜10万円から始められる
  • 時間帯別の自動切替やリモート更新ができるので、ランチ・ディナーでメニューを差し替えるチェーンや、季節メニューを頻繁に出すお店と相性がいい
  • 個人店は店頭サイネージよりも、お客さまのスマホに写真付きメニューを見せるQRメニューのほうがコスパが良い場合も多い

マクドナルドのカウンター上に並ぶ、ピカピカ光る大きなメニュー画面。あれが「デジタルメニューボード」です。最近はチェーン店だけでなく、個人経営のカフェやラーメン屋でもじわじわ導入が進んでいます。

「うちもやってみたいけど、いくらかかるんだろう?」「自作ってできるの?」と気になっている方も多いはず。実は、テレビとRaspberry Piを組み合わせれば3万円台から自作できるんです。

この記事では、デジタルメニューボードの基礎から3タイプの使い分け、業務用と自作それぞれの価格相場、自作の手順、マクドナルド事例まで、個人店オーナーの目線でわかりやすく解説します。

デジタルメニューボードとは

デジタルメニューボードとは、飲食店の店頭や店内に設置した大型ディスプレイに料理メニューを表示するサイネージシステムのことです。英語では「Digital Menu Board(DMB)」と呼ばれ、ファーストフード業界を中心に世界中で普及しています。

紙の壁面メニューやプラスチック製のメニューボードと違って、画像や動画を組み合わせて美味しそうな見せ方ができたり、ボタン一つでメニューや価格を差し替えられたりするのが特長です。マクドナルドのカウンター上のメニュー、スターバックスのドリンクメニュー、吉野家の券売機上の写真表示などが代表例ですね。

最近はクラウド型のCMS(コンテンツ管理システム)と組み合わせることで、本部から全店舗のメニューを一斉に更新したり、店舗ごとに違うメニューを配信したりといった運用も一般的になっています。

デジタルメニューボードの3つのタイプ

ひとことで「デジタルメニューボード」と言っても、設置場所や用途で3つのタイプに分かれます。お店に合ったタイプを選ぶ参考にしてください。

1. 店頭サイネージ型(屋外・ファサード)

店頭の入り口やショーウィンドウに設置して、通行人にメニューや雰囲気をアピールするタイプ。看板代わりに使えるので、集客力が一気に上がります。屋外設置の場合は防水・高輝度の専用モニターが必要で、コストは50万円〜とそれなりにかかります。ラーメン店や居酒屋など、看板メニューを推したいお店に向いています。

2. 店内壁面サイネージ型(カウンター上)

マクドナルドの「あれ」がまさにこのタイプ。カウンターやレジ上の壁面に大型ディスプレイを並べて、注文を待つお客さまにメニューを見せる方式です。時間帯別表示(モーニング→ランチ→ディナー)と相性が良く、ファーストフードやカフェチェーンで広く採用されています。1台あたり初期15〜30万円が目安。

3. メニュー表示モニター型(卓上・小型)

テーブル横や卓上に小型モニターを置いて、メニューや動画を流すタイプ。10〜15インチ程度のディスプレイなら2〜5万円で導入できます。最近は液晶付きのメニュースタンドも市販されていて、個人店でも気軽に導入可能です。ただし、お客さまが操作するなら次に紹介する「デジタルメニューブック」のほうが向いています。

デジタルメニューブック・QRメニューとの違い

混同されがちな「デジタルメニューブック」「QRメニュー」との違いをまず整理しておきましょう。3つは似ているようで、画面の置き場所と操作するのが「店側」か「お客さま側」かが大きく違います。

デジタルメニューボード デジタルメニューブック QRメニュー
画面の場所 店頭・店内壁面の大型モニター 店が用意したタブレット お客さまのスマートフォン
操作者 なし(見るだけ) お客さま お客さま
初期費用 15万円〜 5万円〜 0円〜
多言語対応 画面切替で対応 アプリ内で切替 スマホ側で自動翻訳も可
向いている店 チェーン店・看板を強化したい店 注文機能も入れたい店 個人店・コスパ重視の店

ざっくり言うと、「お客さまに見せる」のがボード、「お客さまが触る」のがブック、「お客さまのスマホで見せる」のがQRメニューという棲み分けです。集客や雰囲気作りに振るならボード、コスパ重視ならQRメニュー、注文まで完結させたいならブックという感じで選ぶといいかも。

デジタルメニューボードを導入する5つのメリット

1. 時間帯別にメニューを自動切替できる

一番大きいのがこれ。朝はモーニングメニュー、昼はランチセット、夜はディナーコースと、時間が来たら自動で画面が切り替わります。紙メニューだとスタッフが手作業で差し替える必要がありますが、スケジューラに登録しておけば全自動。マクドナルドが朝マック→グランドメニューに切り替わるのもこの仕組みです。

2. 季節メニューや日替わりが即時反映

新メニューを出すとき、紙メニューだと印刷→納品→差し替えで数日かかりますよね。デジタルメニューボードなら、画像を差し替えてアップロードするだけで即反映。品切れになったメニューを赤くするとか、本日のおすすめを目立たせるみたいな細かい運用も気軽にできます。

3. 動画や写真で視認性が高い

シズル感のある料理動画、湯気の立つラーメン、トロけるチーズ……動画は静止画の何倍も注意を引きます。通行人の足を止めて店内に呼び込むのに、動画コンテンツは効果的。スターバックスがドリンクの注ぎ映像を流しているのも同じ狙いです。

4. お店のブランディングに使える

メニューだけじゃなく、お店のロゴアニメーションや産地紹介の動画、スタッフ紹介なんかも流せます。「うちは熊本の牧場から直送の和牛を使ってます」みたいなストーリーを映像で見せられると、お客さまの体験価値が一段上がります。

5. リモートから一括更新できる

クラウド型CMSを使えば、本部のPCから全国の店舗のサイネージを一斉更新できます。多店舗展開しているチェーンだとこれが本命機能。1店舗ずつDVDやUSBで配信していた時代と比べて、運用コストが劇的に下がりました。

デジタルメニューボードのデメリットと対策

初期コストが高い

業務用パッケージは1台あたり15〜30万円、複数台揃えると100万円超えもザラ。対策としては、自作(後述)でコストを1/5〜1/10に抑えるか、まずは1台から導入してみるのがおすすめ。リース契約なら初期費用を抑えて月額化することも可能です。

設置工事が必要なことがある

大型モニターを壁面に取り付ける場合、専用の金具や電源工事が必要になります。賃貸店舗だと大家さんの許可も要るので、契約前にチェックを。工事不要な置き型スタンドや、テレビ台に乗せるタイプから始めるとハードルが下がります。

ネットワークやセキュリティのリスク

クラウド型CMSはインターネットに繋がっているので、ハッキングのリスクがゼロではありません。実際、海外では店頭サイネージが乗っ取られて変な画像が表示される事件もありました。パスワードを強固にする、CMSの更新を怠らない、業務用ルーターで分離するなど基本のセキュリティ対策が大事です。

デザインの自由度に技術が必要

かっこいい画面を作ろうとすると、それなりにデザインスキルが要ります。デザイナーに発注すると1画面あたり1〜5万円。対策はCanvaやFigmaなど無料のデザインツールを使うこと。テンプレートを少しいじるだけでも見栄えのする画面が作れます。

デジタルメニューボードの価格相場

「結局いくらかかるのか」が一番気になるところですよね。業務用と自作で、こんなに違います。

業務用パッケージの価格

項目 価格目安 備考
業務用サイネージモニター(43〜55インチ) 15〜30万円 NEC・シャープ・パナソニックなど
STB(セットトップボックス) 3〜10万円 配信用の小型PC
CMSライセンス(月額) 3,000〜10万円/月 機能と店舗数で変動
設置工事費 3〜10万円 壁掛け・電源工事込み
コンテンツ制作費 1〜10万円/画面 外注時。Canva自作なら0円

自作の価格

項目 価格目安 備考
43インチ4Kテレビ(家庭用) 4〜8万円 TCL・ハイセンス等で安く
Raspberry Pi または Fire TV Stick 5,000〜1.5万円 配信用デバイス
サイネージCMS 無料〜2,000円/月 Yodeck/ScreenCloud無料枠
テレビスタンドまたは壁掛け金具 3,000〜1万円 DIY設置でOK
コンテンツ制作 0円 Canvaの無料プランで自作

自作なら合計で3万〜10万円ほど。業務用と比べて1/5〜1/10のコストです。1店舗で1〜2台しか使わないなら、自作で十分実用に耐えます。

ただし、業務用には「24時間連続稼働対応」「故障時のサポート」「耐久性」といったメリットがあるので、長時間営業や多店舗展開なら業務用も検討の価値あり。

デジタルメニューボードを自作する方法【4ステップ】

「業務用は高いから、まず自作で試したい」という方向けに、最小コストで作る手順をまとめました。半日〜1日で実現可能です。

1

機材を揃える

最小構成はこれ。43インチ4Kテレビ(6万円)+ Raspberry Pi 4(1万円)+ HDMIケーブル(1,000円)+ テレビスタンド(5,000円)。テレビは家電量販店やネット通販で。Raspberry Piの代わりにAmazon Fire TV Stick(5,000円)でも代用できます。Fire TV Stickのほうが安く、セットアップも楽です。

2

メニュー画面のコンテンツを作成する

無料デザインツールCanvaを使うのがいちばん早いです。「デジタルサイネージ」テンプレートで検索すると、業務用っぽいデザインがたくさん出てきます。料理写真をはめ込んで価格を入れるだけ。1920×1080pxで書き出せばOK。動画にしたい場合はCanvaの動画機能か、CapCutで作るのがおすすめ。

3

配信ツール(CMS)を選ぶ

無料で使えるサイネージCMSの代表はYodeck(1台無料)、ScreenCloud(トライアル)、OptiSigns(1台無料プランあり)。日本語UIならEISHODOやデジタルサイネージNexsignなども。一番手軽なのはYodeckで、Raspberry Piイメージが配布されているのでmicroSDに焼いて挿すだけで動きます。

4

設置して時間帯スケジュールを組む

テレビをスタンドや壁掛け金具で設置し、Raspberry PiをHDMIで繋いで電源を入れるだけ。CMSの管理画面で「朝7-10時はモーニング画面」「11-15時はランチ画面」とスケジュールを組めば、あとは自動で切り替わります。Wi-Fiさえあれば、スマホからもメニュー更新可能。

主要サービス比較(業務用 vs DIY向け)

業務用サービス(チェーン向け)

サービス 特徴 月額目安
NEC ディスプレイソリューションズ 業務用ディスプレイの王道。耐久性とサポートが強い 要問合せ
シャープ デジタルサイネージ 国内大手チェーン採用多数。8K対応も 要問合せ
パナソニック 空間演出と組み合わせやすい 要問合せ
Nexsign(NEC系) クラウド型CMS。多店舗管理が得意 5,000円〜/台
EISHODO 日本語UI。中小チェーンに人気 3,000円〜/台

DIY向けCMS(個人店向け)

サービス 特徴 月額目安
Yodeck 1台無料。Raspberry Piとの相性◎ 無料〜
ScreenCloud UIが綺麗。テンプレ豊富 2,000円〜/台
OptiSigns Fire TV Stickに直接インストール可能 無料〜

多店舗展開しているチェーンや、本格的にブランディングしたい店は業務用一択。個人店や1〜数店舗なら、DIY向けCMSで十分です。

導入事例:マクドナルドと個人店2軒

事例1

マクドナルド(全国チェーン)

マクドナルドの店頭カウンター上に並ぶデジタルメニューボードは、NECやシャープ製の業務用デジタルサイネージシステムを採用していると言われています。複数台のディスプレイを横並びにして、ピクチャーバイピクチャー(複数画面を1つに見せる)で大画面化しているお店も。

運用面では、朝マック→グランドメニュー→夜マックといった時間帯切替がすべて自動化。新商品や期間限定メニューも本部から全国一斉に配信されます。詳しい事例はマクドナルドのデジタルメニュー解説記事もご覧ください。

事例2

個人ラーメン店D様(駅前・カウンター12席)

課題:駅前の路面店で通行人にメニューをアピールしたいが、立て看板だと雨で痛むのが悩み。

導入内容:43インチの家庭用テレビ(5.5万円)+ Amazon Fire TV Stick(5,000円)+ OptiSignsの無料プランで合計約6万円。店頭ガラス窓の内側に設置し、看板メニューの動画と価格をループ再生。

「業者見積もりは30万円超えだったので諦めてたんですけど、Fire TV Stickで6万円で済むって聞いて挑戦しました。動画で麺をすする映像流すと、ほんとに通行人が止まってくれます」

— 個人ラーメン店D様オーナー

事例3

カフェE様(住宅街・20席)

課題:季節限定ドリンクの差し替えが多く、紙のメニュー印刷代が月5,000円ほどかかっていた。

導入内容:カウンター上に32インチのテレビ(3万円)+ Raspberry Pi(1万円)+ Yodeckの無料プラン。初期費用4万円、ランニングコスト0円でデジタル化。Canvaでドリンク画像を作って週1回更新するスタイル。

「印刷代が完全になくなったし、店内の雰囲気もちょっとオシャレになりました。Canvaのテンプレートを少しいじるだけで、それっぽいデザインができちゃうのが助かります」

— カフェE様オーナー

ちなみに、店頭サイネージほどの予算がない個人店や、お客さま一人ひとりにメニューを見せたい場合は、お客さまのスマホに表示するQR型メニューという選択肢もあります。初期投資ゼロで写真付きメニューが作れるので、コストを抑えたいお店はこちらも検討の価値ありです。

よくある質問

デジタルメニューボードの導入費用はどれくらいですか?

業務用パッケージは1台あたり初期費用15〜30万円、月額3〜10万円が相場です。自作なら43インチのテレビとRaspberry Pi、無料のCMSを組み合わせて3万〜10万円程度で導入できます。設置台数や工事の有無で大きく変わるので、まずは1台から試すのがおすすめです。

個人の飲食店でも自作できますか?

はい、十分に自作可能です。市販の43インチ4Kテレビ、Raspberry PiまたはAmazon Fire TV Stick、無料のサイネージCMS(YodeckやScreenCloudなど)があれば、メニュー画像をループ再生するだけのシンプルな構成は半日ほどで組めます。デザインはCanvaで作れば、専門知識がなくても綺麗な画面に仕上がります。

デジタルメニューボードとデジタルメニューブックの違いは何ですか?

デジタルメニューボードは店頭や店内の壁面に設置した大型モニターでメニューを「見せる」サイネージです。一方、デジタルメニューブックはタブレットや紙メニュー型の電子メニューで、お客さまが手に取って操作するもの。マクドナルドのカウンター上の大画面はボード、ガストの卓上タブレットはブックに近い、というイメージです。

マクドナルドのデジタルメニューボードはどのシステムですか?

マクドナルドの店頭カウンター上にあるデジタルメニューボードは、NECやシャープなどの業務用デジタルサイネージシステムが採用されていると言われています。時間帯ごとにモーニング・ランチ・ディナーのメニューを自動で切り替えており、本部からのリモート配信で全国一斉にメニュー差し替えができる仕組みです。

屋外に設置することはできますか?

屋外設置には防水・防塵・高輝度(晴天下でも見える1500cd/m²以上)の専用モニターが必要で、コストは一気に跳ね上がります。家庭用テレビをそのまま屋外に置くと故障や視認性低下の原因になるので、屋外なら最初から屋外用サイネージの導入を検討してください。

まとめ

デジタルメニューボードは、店頭や店内のディスプレイにメニューを表示するサイネージシステムです。マクドナルドやスターバックスのような大手チェーンが採用しているイメージが強いですが、最近はテレビとFire TV Stickを組み合わせた3〜6万円台の自作スタイルも広がっています。

看板を強化したい路面店や、季節メニューを頻繁に出すお店、複数店舗を一括管理したいチェーン、こういった用途ではボード型サイネージは間違いなく効果的です。

一方で、テーブル接客中心の個人店や、コスト最優先のお店なら、お客さまのスマホに直接メニューを届けるQRメニューという選択肢のほうが合うことも多い。店の規模と目的に合わせて、最適な方法を選んでみてください。

メニューのデジタル化、まずは小さく試してみませんか?

サイネージは高額ですが、QRメニューなら無料で始められます。お客さまのスマホで写真付きメニューを見せる仕組みを試してみてください。

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